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2014.02.25
ラ・レジョンのエスプリ vol4
「色石と審美眼」
前回のブログにも少し書きましたが、カラードストーンを扱うにあたって
重要になってくるキーワードが「審美眼」です。
ダイヤモンドには明確なグレーディング(つまり石を鑑定する方法)が存在しますので、ある程度の知識があれば石を見る事が可能です。
対して種類も豊富で産地による特徴など複雑な要素が多い色石には、明確なグレーディングは存在しません。色石の専門となるためには膨大な知識と経験、そして感性とも呼ぶべき「審美眼」が必要になります。
ダイヤモンドは炭素だけの結晶であり基本的には窒素の含有率によってD~Zというように黄色みを帯びてきます。(通常の色範囲のダイヤモンド)
つまり世界にあるダイヤモンド鉱山で採掘されるダイヤモンドには基本的に大きな相違は無いという事です。
この事がダイヤモンドのグレーディングを可能にした要因でもあり、産地の特定が出来ない要因でもあります。
色石は化学組成に多くの元素を含み、発色要因となる成分も多種にわたります。
さらには色石の産出形態は非常に多様で、何百年にもわたって伝統的に採掘されている鉱山もあれば、わずか数年で閉山するような鉱山もあります。
鉱床の違いによる特徴や価値評価など、常に新しい情報を入手しておかなければいけないこともたくさんあります。色石においては今ある知識や情報は、常に塗り替えられていくものなのです。
「審美眼という美学」
品質や大きさも様々な大量のロットの中から美しいものを選ぶことよりも、
美しいものの中からより美しいものを選ぶという事は非常に難しい事です。
むしろ比較する対象の無い1ピースを選ぶことは最も困難を極めます。自身の審美眼との戦いでもあり錯覚・感覚との戦いでもあります。
私が買い付けにおいて常に心がけている事はビジネスベースになりすぎない事、
自身が欲しいと思うような宝石でなければお薦め出来ない。宝石を探す楽しさ、コレクターとしての心を忘れないこと。
長年数多くのジェムを見てきた経験と蓄積されたデータから裏付けられる高い希少性への確信。最高の宝石しか提供しないというチーム・ラ・レジョンに共通る価値感「審美眼という美学」
宝石にかけるラ・レジョンのエスプリです。