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2015.05.29

色石専門ジュエリーブランドの意味

宝石というと、ほとんどの方がダイヤモンドをイメージされるではないかと思います。

宝石の流通量を見てもその大半はダイヤモンドが占めています。
ですが実際にジュエリーに使われる宝石の種類は100種類以上にのぼり、
ダイヤモンド以外の宝石は総称して色石と呼ばれます。
100種類以上に及ぶ色石は、それぞれ特性・特徴が宝石ごとに異なるため価値評価や産地の特徴など膨大な知識と経験が必要です。
その意味ではダイヤモンドは数ある宝石のなかの1つに過ぎないのです。

ラ・レジョンで探している色石のなかには4~5年待っても探しきれていない宝石がたくさんあります。
希少性の高い色石は10CTのダイヤモンドを探すよりもはるかに難易度は高いのです。
またジェムクラスの宝石は大量のロットで取引されるということはほとんどありません。
同じ宝石でもロットで取引される単価とは桁違いに高いものも多いのです。
「0.01%の奇跡…」はあくまでも出会いであり、そこがプライスレスな要因でもあります。

ターフェアイト 1.37CT

「追い求めるものは限りなく高い希少性」

希少性にもさまざまな指標があるかと思いますが、私は色石の希少性を見るのに品質・サイズ・宝石種とそのバランスではないかと考えています。

品質はもちろん最高のモノを、ですが色石の判断基準は目に見えないような内包物よりは色(宝石によっては特殊効果など)だと思います。
最高の色の宝石を探すよりもインクルージョン(内包物)の無い宝石を探すことの方が簡単なのです。

産出するサイズも宝石種によって大きく異なります、クオーツや特定のトルマリン・トパーズ・アクアマリン等の宝石は100CTといった大きなサイズで採れることもあります。
反対にレッドベリルやアウイナイト等は1CTを超えると超大粒といえるサイズなのです。
サイズというのは他の指標とのバランスでもあり、好みの部分も大きいのではないでしょうか。

宝石種も難しい要因で、私の場合はただ単なるレアストーンではなくそれぞれの宝石種においてより希少な宝石であることに重点を置いて宝石の選定を行っています。
ラ・レジョンのラインナップに少ないルビー・サファイア・エメラルドといったメジャーな宝石たちは、リクエストをいただいてからでもお探しすることはそれほど難しくはありません。

より難しいのは「出会いを求められる宝石たち…」今買っておかなければもう手に入らないのではないだろうか…
どうしてもそういった優先度の高い宝石から揃えていくと結果として他には無い少々マニアック?!なラインナップになってしまいます。

「主役のために」

何年もかけて集められる貴重な中石のために出来る限りのことをしてあげたい…
もちろん作りもそうであり、脇石となるダイヤモンドも最高の宝石であってほしいと考えます。

ラ・レジョンで使用する脇石ダイヤモンドは全てFカラー以上、クラリティーはVS以上、カットはエクセレント、 ほぼ全てのラウンドダイヤにH&Cが現れます。

メレのダイヤではなく0.1CTを超えるようなダイヤモンドで特にファンシーシェイプとなると集めるのも容易なことではありません。

ラ・レジョンのデザインの特徴でもあるマーキス・ペア・プリンセス等ファンシーシェイプを多用したシンメトリーなダイヤ配置は ダイヤモンドの選択において最も難易度の高いものなのです。
外形上で直径の変化しかないラウンドダイヤに対して、ファンシーシェイプのダイヤは縦横の比率が石によって大きく異なります。

アンバランスな石同士を組み合わせるとデザインのバランスが大きく崩れてしまいます。
またカットスタイルの違いは微妙な輝き方の違いを引き起こし、これもまた違和感を感じさせます。

ラ・レジョンでは前述したグレードのダイヤの中から更にメイク(カットバランス)の優れたものだけを厳選します。

こうしてようやくジュエリーとなる宝石が集まります。
長いものだと数年かかる中石の調達と、デザイン決定から数ヶ月かけて厳選される脇石のダイヤモンド。いよいよマイスターの手によって形となります。