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2014.04.11
ラ・レジョンのエスプリ vol1
ジュエリー化にあたって最もこだわったのが「ラ・レジョンスタイル」の確立でした。
目標にしたのは、どのジュエリーを見てもラ・レジョンのテイストが感じられること。
トラディショナルであるがゆえに画一化されがちなハイジュエリーにおいて、
日本的な繊細で緻密かつシンメトリーなデザインを持ったラ・レジョンのジュエリー。
完成までに多くのジュエリーデザイナーとの長い試行錯誤がありました。
「チームラ・レジョン」(詳細は後日ブログにて)の主要メンバーでもある
ジュエリーデザイナー森英昭(現ラ・レジョンクリエイティヴディレクター)。
展示会でお会いされたお客様もいらっしゃるかと思いますが、通称「森さん」(そのままですが・・・)
色石の大好きな、とっても気さくなデザイナーです。
あまり表に出たがらない優しい性格ですが、国産ジュエリーの黎明期から活動されデビアスやプラチナギルドのデザイン他、携わったメーカーの躍進に寄与するとともに数々の賞を受賞。
今日の日本のジュエリー業界の発展にも多大な貢献をしたデザイナーの1人です。
どうしてもデザイン主体のデザイン画を描きがちな若手のジュエリーデザイナーが多い中で、森さんとの出会いはラ・レジョンにとって大きな一歩でした。
「ラ・レジョンのブランドアイデンティティーは宝石そのものである」だからこそデザインが勝ちすぎてはダメなんだ。
お客様の視線・興味の対象が先に中石にいくこと、あくまでも主役は中石であるということ。
「デザインが先に気に入っていただけるようではラ・レジョンとしては負けだ」熱く戦いました。
ジュエリーデザイナーとしては消化不良かもしれない、実力の70%の仕事をしてもらうことになるのかもしれない。
だけどラ・レジョンはデザイナーズジュエリーを作りたいのではなく、
トラディショナルな宝飾(宝石のためのジュエリー)を作りたいんだ。
宝石のわかるデザイナーだからこそ私の想いに共感してくれました。
そんな森さんがふと「ジュエリーデザイナー人生で今が一番最高の仕事をさせてもらっている」
そう呟いた言葉がとても印象に残っています。
二人で始めたラ・レジョンスタイルの確立。
中石によって異なる光の入れ方や輝きの邪魔をしない爪の位置、ダイヤの配置など宝石ごとに制約の多い中での1点物のデザイン。
いわゆる「石がデザインを決める」ということがラ・レジョンスタイルのベースにあります。
色石であるからこそ純白のダイヤとの対比(色でもあり輝きでもある)が色石の彩度を生かす。
ダイヤの取り巻きをつける理由も中石の美しさのためでもあります。
ラージサイズの変形ダイヤを主体とすることであえてデザインに隙間を作り、
台座の高さとの調整も含めて中石のサイド・底から入る光の量をコントロールすることが出来ます。
目標はルース(裸石)の状態よりもジュエリーに仕立てた方がより美しく見えること。
最高のこだわりと情熱をもって挑む「ラ・レジョンスタイル」こそラ・レジョンのエスプリそのものなのです。
つづく